著者:よしたが(トレンドライター)|公開日:2025-10-18
スーパーカブを「生活のモビリティ×時代の鏡」として読み解く長編。新基準原付のインパクト、
C125をはじめとする新色の意味、初代からの歴史、古いカブの価値、日常で生きるカブ、
そしてAI・EV時代の未来像まで——“個人が稼ぐ時代”の相棒としてのカブを、
情熱とデータ感で描きます。
はじめに:スーパーカブとは何か
あなたの街にも、きっと一度は見かけたことがあるだろう。郵便局の前を軽やかに走り抜ける赤いカブ。
スーパーの駐輪場で、年季の入ったカブに荷物をくくりつけているおじさん。
あるいは、レトロカラーのC125にまたがる若い女性。そう——それが「スーパーカブ」だ。
1958年、戦後の日本がようやく“豊かさ”という言葉を実感し始めた頃、ホンダが世に送り出した小さなバイクが
スーパーカブC100。「誰でも乗れる」「壊れない」「生活の足になる」。その3つの理念は、世界160か国以上で
愛される土台となり、累計生産台数1億台超という前人未踏の記録へとつながった。
しかし、スーパーカブの本当の魅力は“数字”ではない。「人の暮らしとともに走ってきた時間」そのものだ。
高度経済成長では仕事を支え、不況期には質実剛健な足として信頼され、そして令和の今も進化を続けている。
2025年には“新基準原付”が導入され、カブはまた新しい段階へ。もはや「古き良きバイク」ではなく、
「過去と未来をつなぐ乗り物」として再定義されつつある。
たとえ見た目が変わらなくても、中身は時代とともに確かにアップデートされている。
——スーパーカブとは、日本の「日常」と「進化」を象徴するバイクである。
第1章:新基準原付化がもたらす変化
— スーパーカブが、再び“庶民の足”を取り戻す日 —
これまで日本の原付制度は「50cc以下=原付一種」「51〜125cc=原付二種」。
ところが2025年、新たに最高出力4.0kW以下なら125ccクラスでも“原付一種扱い”となる
「新基準原付」が登場した。単なる数字の変更ではなく、生活の中にバイクを取り戻す動きだ。
ホンダの答え:「スーパーカブ110 Lite」誕生
制度に合わせて「スーパーカブ110 Lite/110プロ Lite/クロスカブ110 Lite」が登場。
空冷109cc・最高出力3.5kW、前輪ディスク+ABS、キャストホイール+チューブレス、
時計・ギアポジション付きメーターなど、“原付の感覚で使える二輪の自由”を現代に再構築した。
- 主なカラー:タスマニアグリーンメタリック、バージンベージュ(ほか)
- Liteは“軽快・実用・安全”を再設計した名称的コンセプト
50cc時代の終焉と、次のステージ
排ガス規制やコストの高騰で50ccは縮小傾向。しかし新基準対応の110は坂道も流れも余裕。
ABSなど安全面も強化され、「原付は遅い」という常識は過去のものに。
副業時代の「足」としての再評価
デリバリー、フリマ配送、取材移動——個人が動く時代に、低燃費・低維持費で荷物も積める
カブは最強の働く相棒。移動効率=収益効率。“小さな投資が、持続的な稼ぎ”を生む。
第2章:カラーで語るカブの物語
— 色は時代を映す鏡。スーパーカブがまとう“記憶の色” —
初代C100の青と白は、働く日本の希望の色だった。やがてパステルやベージュが加わり、
「仕事の足」から「愛される相棒」へ。色は“誰のための乗り物か”を問い続ける設計言語だ。
C125の新色が語る“レトロモダン”
パールボスポラスブルーは初代の記憶を現代に。パールネビュラレッドは気品と情熱。
色の力で「自分らしい生き方」を体現する時代へ。
クロスカブの自然色とライフスタイル
ボニーブルー、ハーベストベージュ、マット系グリーン……アウトドアや地方移住の空気を纏い、
“外へ出る自由”の象徴になっている。
第3章:伝統と進化 ― 歴代スーパーカブ
— “いつの時代も、あなたのそばにいたバイク” —
1958年C100は遠心クラッチで「誰でも乗れる」を実現。C50/C70/C90は国民バイクとして拡大し、
FI化や現場仕様で磨かれた。2018年C125は伝統×最新装備で“上質な日常”を提案、C110は機動力の中核に。
そして2025年、新基準原付とともに原点の再起動が始まる。
第4章:古いスーパーカブが、なぜ今も愛されるのか
— 時代が進んでも、心が戻る場所がある —
古いカブには“時間”が宿る。アナログの質感、“直せる”という信頼、サステナブルな価値。
便利さより心地よさを選ぶ生き方の象徴であり、「現役の文化」としてレストアや再販も熱い。
カブが走る音が聞こえる限り、日本の生活はまだ大丈夫だ。
第5章:スーパーセンターカブ ― 日常の英雄たち
地方のスーパーセンターや駐輪場に当たり前にいるカブ。派手さはないが、
生活インフラとして静かに社会を動かす。カブが多い風景を人は親しみを込めて「カブカカブ」と呼ぶ。
速さではなく“馴染み”で勝つ。地域の心拍が交わる場所に、いつもカブがいる。
彼らは小さな英雄だ。
第6章:これからのスーパーカブに期待すること
EV化・コネクテッド・AI支援が進んでも、揺るがないのは「誰もが乗れる、誰のためにも走る」思想。
新基準原付は移動の民主化を進め、副業・個人ビジネスの最も人間的な働く道具として価値は高まる。
地方再生の足としても希望は大きい。
第7章:結びにかえて ― カブがつなぐ時間と人
「トン…トトトン…」——その小さな鼓動は、働く人の詩であり、家族の記憶であり、
生きていく力だ。AI時代でも“自分の手で走らせる喜び”は消えない。
カブは、希望を運ぶ小さなエンジンである。
どんな時代でも、人は走り続ける。そしてその隣には、いつもカブがいる。
# スーパーカブ 新色
# スーパーカブ 新原付
# スーパーカブ 新規格
# スーパーカブC125新色
# 初代スーパーカブ
# 歴代スーパーカブ
# スーパーセンターカブ
# 古いスーパーカブ
# カブカカブ


コメント